大和ごころ
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第5章-幸村編-⑮<R15> [「うたかたごころ」第5章-幸村編-]

「うたかたごころ」を初めてお読みになる方は、必ず(はじめに)をお読み下さい。

<第5章-幸村編-⑮の登場人物>
 吉川愛子(よしかわ あいこ)♀…25歳。主人公。Japan Air の客室乗務員。
                     かつては安芸吉川(きっかわ)の姫。
                    幼少の頃に毛利元就の友だった
 真田幸村♂…23歳。戦国一の兵(つわもの)と称された武将。
 (真田源次郎)現代では、島津の店で雑用をして働いている。
 伊達政宗♂…25歳。島津の店では主に厨房を手伝っている。
          眼帯はドラッグストアで買った物に替えている
 前田慶次♂…26歳。愛子の幼馴染。愛子と交際していたが破局。
         フリーター。今は島津の喫茶店で働いている
         ※髪型は後ろでひとつに縛っているが、肩にかかる程度の長さ
 猿飛佐助♂…29歳。真田幸村に仕える上忍。
 (長野佐助) 島津の店で厨房を手伝いながら、ホールもこなす 


※このページは成人向け表現が含まれます。15歳未満の方は閲覧を禁止させて頂いておりますので、ご注意下さい。


「手前ぇ、ここで何してんだ」
 慶次のアパートにやって来た政宗が、玄関に入りもしないうちに、開口一番で吐き捨てた。自分に言っているのかと慌てた慶次は、ご、ごめんよ、と条件反射で謝ってしまった。
「アンタじゃねぇよ。そっちの先客に言ったんだ」
「あらら、まさかの俺様。せっかく気をきかせて、愛子に外泊メールしといてやったのに」
 外泊? と慶次は佐助を見る。が、彼は政宗を見向きもせず、勝手にチャンネルを変えている。それにしても、こんな夜ふけに訪ねてきたのは政宗のためか、と慶次は苦笑した。
「おふたりさん、ひとり者の俺の部屋で逢引するってぇのは、俺への当てつけかい?」
「風来坊の旦那、誰と誰が逢引だって?」
 やっとこちらを振り返った佐助と、佐助の靴を足蹴にどかしていた政宗が、同時に慶次をぎろりと睨んだ。ふたりの顔には、殺すぞ手前ぇ、としっかり書いてあるから恐ろしい。
「まぁ俺様はともかく、そっちのご傷心のお侍は泊めてやってよ。帰れないみたいだから」
「Ha!  泊まりてぇのは手前ぇのはずだぜ。兄離れと失恋のdouble blow(ダブルパンチ)喰らってんだろ」
 佐助から兄離れする男といえば幸村だろうか。とくれば、相手は愛子か。ふたりと一緒に暮らしている政宗が、家に帰れないのだからそうだろう。あぁ、ついにそういうことになったのか。応援していたとはいえ、愛子は慶次にとっても初恋の相手。やはり複雑だ。
「あらよ、忍の兄さん。愛ちゃんを横から掻っ攫う作戦は失敗しちゃったのかい?」
 何だかんだと愛子のことを気にかけていた佐助だ。彼も同じように複雑なのだろう。
「それ言うなら竜の旦那のほうが深手だぜ。好敵手と初恋の女、腹心と手下の女、ってね」
 佐助の放った、腹心、の二文字に、慶次へ紙袋を手渡す政宗の手が強張った。
「どういうことだ、猿飛」
 政宗の声音が低く這う。突然の小十郎の話題。が、動揺を見せる政宗に佐助は失笑した。
「今更何言ってんのさ。操縦士の旦那にあいつをけしかけた張本人は、独眼竜でしょうが」
「俺が命じたのは調査だけだ。けしかけた覚えはねぇ。あの女が勝手に熱くなっただけだ」
 政宗は相手の女が分かったらしい。しかし慶次のほうは、相変わらず「あの女」が誰のことなのか分からない。否、正確に言えば、該当しそうな女性に思い当たりはした。小十郎と近しく、しかも政宗らが知り得る愛子以外の女性と言ったら、ひとりしかいない。
「どっちでもいいさ。どの道、俺様のお仕事は、これでまた進展したわけだし」
「…………」
 ぎり、と政宗が奥歯を軋ませる。その音が、慶次の耳にも届いた。
 慶次は佐助の物言いに嘆息する。またこの人は、どうしていつもこうなのか。
 そういえば、自分が佐助と初めて会ったときも、こんな感じだったか。彼の態度や言葉は時折、人の神経を逆なでるときがある。わざと相手が悪いほうへと解釈するような表現をし、万事が自分の想定内であることをほのめかす。忍故(ゆえ)か、それとも持って生まれた性格か。だが慶次には、自ら損な役回りを引き受けているようにしか見えない。
「そこは首つっこんじゃいけないとこだよ、忍の兄さん。って俺が、今まさに、だけど」
 完全な部外者の自分が、首をつっこむな、と干渉していて、その矛盾に慶次は苦笑する。だが、大事な友達の恋路を佐助が引っ掻き回していると知って、見過ごすことはできない。
「そりゃ、あんたは何でも完璧にこなす人だよ、佐助さん。もうこっちが惨めになるくらいにさ。まぁ、しくじったら命がないっていう仕事してたんだから、そんなあんたにしたら確かに俺は、弱肉強食の中で生きてる小動物より、よっぽど生ぬるい生き物だよな」
 武将達と出会って、ここ最近ずっと思っていたことだ。卑屈っぽいのは嫌だが、それでもやはり、命のやりとりを経験している連中の逞しさには叶わない。考え方も、生き方も。
「悔しいけど、佐助さんは凄いよ。もう誰かと比べる必要もないくらい。あんたと同じことができる人は、今の時代だって多分どこにもいないよ。お世辞じゃなくて、マジでさ」
 数ある忍集団の中でも、佐助達透破(すっぱ)は「スッパ抜く」の語源となるほどの諜報のプロ。その、忍激戦時代の戦国の世で頭ひとつ抜きん出る透破の長が、佐助なのだ。
 だが彼は、称賛というものが耳に心地悪いのか、慶次の言葉に露骨な猜疑心を見せた。
「風来坊の旦那、俺様は人を褒めちぎる奴って信用しな……」
「けど、情報戦で人の恋路まで意のままになると思うのは、あんたの思い上がりだよ」
 発した言葉をバッサリ斬られ、佐助から表情が消えた。あぁついに斬っちゃった、と慶次も後味の悪さに苦虫を潰す。例え言葉でも、人を斬るのは、何とも不快なものだ。
「悪い。先に言わせて。じゃないと俺、後攻じゃあんたにひと太刀も繰り出せないからさ」
 人殺しもしてきた男に物申すのは、勇気を総動員しても、声の震えまでは隠せなかった。
「いいぜ。言ってみな」
 そんな慶次に、佐助は冷たく視線を刺してくる。もう背水だ、と慶次は腹を括った。
「あんたさ、前、俺に言ってたよな。愛子は俺様のこと、まんざらでもないって」
 こんなことを言ったら、いくら愛子でも怒るだろう。かすがに知れたらきっと半殺しだ。
「現代に戻った愛ちゃんに会って……その通りだと思ったよ。超悔しかったけどさ」
 佐助の表情は相も変わらず動かない。その代わり、そばにいた政宗が眉間を険しくした。
「確かに愛ちゃん、最初は……あんたに惚れてた」

 愛子の携帯が佐助のメールを受信したのは、愛子の上着のポケットから、携帯がずり落ちた、ちょうどその時のことだった。受信音とランプの色が、佐助からのメールであることを報せたので、幸村にはそのメールの意味するところが分かった。政宗はもう戻らない。
「……臥所(ふしど)で……待っていて下され」
 勢いで愛子の体に触れはしたが、いくら情愛あっての行為でも、相手の合意を得ぬまま穢(けが)すようなことはしたくない。CAとはいえやはり、幸村にとっては安芸吉川(きっかわ)の由緒正しい出自の姫。下女に手を付けて側女(そばめ)にするのとは訳が違う。
「某はカーテンを閉める。錠も確認せねば」
「でも……伊達さんがまだ……」
「お待ちの間、メールをご覧になっていて下され。そして今一度……」
 今一度、本当に己を受け入れてもよいのか、自問してほしい。
 万にひとつ、やはり嫌だと断られるが怖さに、幸村は最後の言葉まで声にして問うことができなかった。だが、その意を汲み取った愛子は、携帯に視線を落としメールを開くと、
「……じゃぁ、待ってます」
 と小さく言い残して、隣の部屋へと消えていった。メールの内容をこちらが察したことも、愛子はすでに分かっていたようだった。余計なやりとりは、もはや何ひとつなかった。

 愛子は自分でブラジャーを外しベッドに腰掛けた。慶次とは違う。外し方など分からないだろう。これが佐助なら、いとも簡単に外して、避妊具まで装着しそうな気がするが。
 佐助。いちいち佐助と比べるのは、幸村に失礼だ。そう頭では分かっていても、主従、という関係を超えて、兄弟のようなふたりを見ていると、どうしても比較してしまう。
 実を言えば、最初は佐助の優しさや頼もしさに惹かれ、彼の存在に支えられていた。
 戦国時代に来て間もなくの一番心細いとき。小田原道中の、恐怖に身を置く日々。更に言えば、武将達と再び現代に戻って来た時すら、佐助の適応能力を一番頼りにしていた。
 けれど今思うと、それはかつて、元就に抱いていた感情に似ていたと思う。つまりは、女として体を求められることを想定していない、妹が兄に甘えるような、幼い情愛。
「愛子殿……入ってもよいか」
 は、はい、と返しつつ愛子は再び薄いシャツをかぶり、脱いだ上着の上にブラジャーを置く。明かりは点けていないが、夜目の効く彼なら、シャツから透ける胸が見えるだろう。
 むき出しではないが、それでも彼に胸を晒しているのが恥ずかしく、愛子は部屋に入ってくる幸村に慌てて背を向けた。その間にも、幸村のシャツを脱ぐ音が近づいてくる。
 やがて、ブラジャーの上に幸村のシャツが落ちる。それを目で追うと同時に、シャツ越しの愛子の腹に、幸村の逞しい両腕が帯のように巻きついた。普段よりも低い声音と、肩越しに現れた彼の頬、引き締まった裸の胸板、興奮しきった幸村の男性部分。その全てを全身で感じ、かつてない興奮を覚えた愛子は、幸村の手を取り、自らシャツの中に導いた。
 幸村の指の腹が、愛子の腹の肌を滑り上がってくる。
 やがて、幸村の指の先が、愛子の胸の下部に触れた。彼の男性部分が、固さを増す。
 まるで山をよじ登るように、幸村の5本の指が愛子の膨らみを上ると、頂上をとらえた瞬間に親指でそれを挟んだ。愛子はたまらず、はぁ、と小さく声を漏らす。
 もう我慢できないとばかりに幸村が愛子のシャツをたくし上げ、胸を完全に露わにした。耳のすぐ横で呻く彼の声。眼下では自分の胸が、彼の手の中でいやらしく形を変えていた。
 妹が兄に甘える姿ではない。こんな淫らな自分は元就や佐助には、とても見せられない。
 それは、もはや自分のものとは思えない、女である喜びを知った、媚態だった。

「第5章-幸村編-⑯」へ

※↑で文字化けする方(携帯からお読みになる方など)は、カテゴリーから<「うたかたごころ」第5章-幸村編->→「第5章-幸村編-⑯」へお進み下さい。


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